豆知識 ~温度・湿度編~


1.寒い家は健康被害を起こしやすい


交通事故で無くなる人よりも、家庭内事故で亡くなる人の方がはるかに多い


トイレ、浴室などで感じる急激な温度変化により、血圧の急上昇が大きな負担となり心筋梗塞や脳卒中を引き起こすヒートショックが原因での死亡事故者は交通事故で亡くなる人の約2.4倍に上がります。


ヒートショックとは・・・

 家庭内での急激な温度変化による心臓発作や脳卒中などの健康被害


冷えは万病のもと

 室温の低さは呼吸器系疾患や、血圧厚上昇など、さまざまな健康被害をもたらします。

 

冷えから起こる病気

・自律神経失調症

・リウマチ

・アレルギー性疾患


高断熱により家の中の温度差を小さくすることにより、このリスクを回避できます。


寒い室内温度は、家庭内事故・疾患のリスクをたかめてしまいます。健康で長生きする暮らしのために、室内の暖かさを保つことはとても大切です。


2.暖かい家は断熱性能が高い


冬の「高断熱の家」と「一般的な断熱の家」の温度比較


高断熱の家(クアトロ断熱の家)Q値1.6 

 外気温に左右されず室温は常に15℃以上をキープ

 冬でも安定した心地良い温度が継続的に得られています。エアコンなど暖房負担と共に体への負担も少なく快適に生活できます。


一般的な断熱の家(断熱等級4)Q値2.7 

  外気温に左右され、熱が逃げやすく、室内でも寒い状況 

  外気温の上下に大きく左右され、全体的にも快適ラインの15℃を下回っています。エアコンなど暖房負担と共に体への負担も大きくなり2重の負担


3-1.断熱性能の高い家に住むと、健康になれる


「断熱性能」と「各種疾患の改善率」の関係

 2002年以降新築の高断熱高気密住宅に引っ越した人(約3万5千人)を対象に行われた健康調査によると、気管支喘息、アトピー性皮膚炎など15の諸症状について、引っ越し後の変化を尋ねたところ、大半の症状に明らかな改善が見られることが分かりました。特に省エネ等級4以上など、より高い住宅へ引っ越した人ほど改善率が高くなっています。

せきや喉の痛み、手足の冷えなどに限らず、アトピー性皮膚炎など肌の悩みについても高断熱高気密住宅への引っ越しで改善がみられています。


3-2.健康改善効果をもたらすことで医療費削減にもつながる


高断熱化による、医療費削減効果

1グレード高い家に引っ越すと、一人当たり年間1万円の医療費削減につながり、3人家族では、年間3万円、30年で90万円の医療費の削減効果になります。


4.断熱性能の高い家は住み心地も良い


居心地の良さは体感温度で決まる

 室内の温度計が同じ20℃を指していても、断熱性の高い家では体感温度に違いがあります。

 同じ室温でも、体感温度として"快適”と感じるかどうかには違いがあるのです。


 体感温度=(室温+表面温度)/2


同じ室温でも体感温度の違いにより、断熱際の高い家では心地よいと感じる反面、断熱性の低い家では肌寒く感じるため、快適な温度にするため(体感温度を上げるため)にエアコンを強くしたり、設定温度を上げる必要があります。


5.室温は低すぎても高すぎても健康に良くない


有害生物/物質の繁殖する温度

人が感じる快適な湿度は40~60%と言われています。夏に湿度が高すぎるとカビダニが繁殖し、冬に湿度が低すぎるとインフルエンザウイルスなどが活性化します。


常に室内が40~60%の湿度に保たれることは、快適に感じるだけでなく、健康を保つためにとても重要です。


6.低温かつ低湿の状態は健康によくない


温度が低ければ低いほど乾燥しやすくなります

例えば、室温11℃の時は、湿度が80%でも喉粘膜が乾いている状態です。これは、どれだけ加湿をしても良好な環境にはならず、ウイルスに感染しやすい状態といえます。しかし、室温が20℃の場合、50%を超えていれば、喉粘膜は潤っている状態となり、ウイルスへの免疫力が高まります。


温度を暖かく保ち、湿度も安定した環境こそが、健康を保つための第一歩です。


7.まずは断熱力を上げること


穴の開いたバケツの水。穴からはどんどん水が漏れ出しています。この水の量を一定に保とうとしたらまず何をするでしょうか?

当然穴をふさぎます。

 では、バケツを住宅、水の量は部屋の温度、穴の大きさは断熱力に置き換えてみましょう。

 部屋の温度を一定に保つには、まず、家の断熱力を上げて、氣温の低下、上昇を止めなければなりません。つまりバケツの穴を塞ぐ、または小さくすることを考えるのが第一です。

 しかし、現況は、水を入れる量=太陽光や創エネ機械の導入ばかりを増やしています。これでは、穴から熱が出ていく一方。エネルギーがどれだけあっても足りません。


優先すべきは断熱


住宅の省エネには3つあります。

①冬の寒さ、夏の暑さをしのぐ「断熱」

②電気代を抑えるエアコンなどの「高効率機器」

③電気を創る太陽光などの「創エネ」

いま、日本では「創エネ」の順位が最も高くなっていますが、本来優先すべきは「断熱」なのです。


エネルギーを創りだし、機械に頼るのではなく、断熱性能を上げ、消費電力を抑えることで省エネにつなげていくことが本来の「エコ住宅」ではないでしょうか。